エヴァンゲリオンのとエディプスコンプレックス【新劇場版ネタバレ注意】

下記※新劇場※のネタバレを含むエヴァンゲリオンまとめです。

 

 

 

 

 

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エヴァンゲリオンとエディプスコンプレックス
個人的にめっちゃ関係性深いだろうなと思っているのが、このコンプレックス

児童心理学を学んでいた時に授業を受けていて「え~?エヴァみた~い^^」とアホ面で講義を受けていましたが、よくよく考えるとめっちゃ関係してる気がしてきました。

 

エディプスコンプレックス
母親を手に入れようと思い、また父親に対して強い対抗心を抱くという、幼児期においておこる現実の状況に対するアンビバレントな心理の抑圧のこと
(Wikipedia参照)

 

エヴァンゲリオンでは"母"であるユイ及びレイの奪い合いがゲンドウとシンジによって繰り広げられているように思えます。
ですが、母であるユイもレイも均等に愛情を二人に与えている感じです。

 

Wikipedia

ja.wikipedia.org

ウィキペディア読んでいただくとわかると思うのですが、男児が父親に対して感じる対抗心について、です。
女児においても同様のコンプレックスが存在します。

 

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シンジのエディプスコンプレックス
ゲンドウとシンジの対立(話し合い)はこのコンプレックスが根底にあり、ユイ=レイと言う存在に、ゲンドウとシンジそれぞれが母親への【愛】を感じるからこその対立であると考えます。

 

シンエヴァではレイはシンジを好きになるように仕組まれている」とアスカにが言われていました。そしてレイはそれを『嬉しい』と表現しました。

これは、男女としての愛ではなく母親としての愛だと私は思います。

人間だけではなく生き物は赤ん坊を『可愛い』『愛しい』と感じやすく脳が作られています。それと同様だと思われます。
「放っておけない」とか「お父さんと仲良くしてほしい」という母親的な愛情です。

 

反対に、アスカに仕組まれたシンジへの愛は他人の女性として愛を持つ】事であると考えられます。
アスカはこれまでの作品内でも、シンジが求めた初めての他者である女性です。
そのため、シンジを受け入れてさえもらえれば、シンジは【母離れ】をし社会に出ていくことができる…と考えられていました。母の代わりとも取れますが。
そういう意味でもアスカは初めから、やっぱり仕組まれた子どもであった、ということです。

 

シンジとアスカの関係性について考える。
ノマカプ厨という不治の病を背負っている私からすると、カップリング以外の何物にも見えないといいたいところなのですが。
シンジとアスカは互いに相反する、鏡的なキャラクター同士なのだと思います。
境遇はどこか似ているはずなのに真反対の性格であり、お互いがなるかもしれなかった自分の未来の存在。のように感じます。

 

境遇の一致
母親がいない(具体的にアスカは途中から母親がいない)
父親への不信感(アスカの父親は不倫をしており、母の死後すぐに再婚)
エヴァンゲリオンパイロットであり、エヴァに乗るセンスがある

 

性格の不一致と掠るほどの一致
シンジは暗く内向的で排他的、自尊心が低い
アスカは快活でプライドが高く社交性がある。一方でシンジと同様自尊心は低い。
シンジは他者から認められるために努力をしない
アスカは他者から認められるための努力を怠らない

 

シンジとアスカは互いに両親を渇望しており、互いを母として求めているように見える場面が多いと私は感じます。
アスカはシンジにお弁当を作ってきてもらうことに喜びを感じ、母のような優しさを。
シンジはレイと並んで自分の安全地帯となる母親的女性を求めているように見えます。

 


アスカのエディプスコンプレックス
アスカは本質的に【父親的な存在】を求める行動が作中で目立ちます。

これまでは加持に思いを寄せ、男女の仲を求めたりして、大人になることと同時に愛されることを求めていました。女性は男女の仲を持つことで自分の中のコンプレックスを打ち破ると心理学的には考えられています(私は女性ですがいまいち理解しがたいです。)

シンエヴァ内においても「ただ頭をなでてほしかっただけ」と言っており、その際にはお守りにしていたお人形からケンスケがでてきてアスカの頭をなでました。

恋愛感情、というには幼いイメージですね。

 

シンエヴァのシキナミについて…

シンエヴァにおいてアスカは『式波』という名前に変更されました。
これは、アスカがこれまでの作品同様のアスカではないことを指していることはなんとなくわかっていましたが、綾波同様クローン体となっていた。という設定変更があったということでした。

 

(惣流)アスカは母親に認められるためにエヴァパイロットとなりました。
これも一種のエディプスコンプレックスだと思います。
自分が女でありか弱い存在ではないと思いたい…という無意識的な部分から自分を男児と仮定し、優秀であろうと努力、母からの愛情を求めていた、と考えられます。

 

これまで、漫画版ではアスカの父親への言及はほぼなく、精子バンクから提供されたとされています。
TV版では母親が死んですぐに母親を診ていた女医と再婚。両作品ともに父親との関係は希薄であったことだけが感じ取れます。

 

女児のエディプスコンプレックスは、母への怒りが起因(女性という一見陰部の欠けた弱い存在として生まれた怒り)し父親へと愛の対象変更が生じるとされますが、アスカはその過程がゴチャついているのだと考えられます。

愛情を求め抱いていた母親は自分を捨てて死亡し実質の対象消失、愛の変更対象である父親は不在もしくは愛を与えるほど親密でなかったのだと思います。
その結果、自分の想う父親像に近い男性に愛を向けていたのだと感じます。
※これまでの作品では加持、シンエヴァではケンスケと言った具合…。


ここではっきりしておきたいのは、加持やケンスケに向けた感情は本質的には恋愛感情とは違うということ

シンジが綾波に感じる家族間で感じる愛情に近いのだと思われます。

 

アスカは対象の男性に自分に足りないものを補ってほしいという社会との関係が希薄な状態だと私は感じました。
…映画を見てすぐはケンスケがアスカに社会を与えた人物なのかな~(シンジで言うマリ?で、運命の相手?)とはじめは思ったのですが、ケンスケの成長した姿があまりにも加持さんに近かったので最終的に【仕組まれた枠】からアスカは出れなかった、ということなのだと私は感じました。

 


アスカの立ち位置
これまでの作品であればシンジと結ばれる(シンジを救う)女性、シンヒロインであったと考えます。作中何度もマリに「姫」と呼ばれ、真ヒロインであったことはにおわされていました。
ですが、今回シンエヴァではシンジと救ったのはマリでした。

※マリは『イスカリオテのマリア』と呼ばれていたと謎暴露がありました。

イスカリオテ=ユダ…裏切者のように見えて実際は違うという暗喩だと思ったのですが、母親を求めているシンジのマリアであり、ヒロインや視聴者を裏切る立場に敢えて立ったということなのだろうと捉えています。

 

アスカの設定が根本から変わったことにより世界にひずみが産まれたのは言うまでもないですが、ぽっとでの女性にシンジが奪われる(言葉があってるかは不明)、というのは運命の人は突然現れる。ということを示唆しているんだと思います。

みんなそうだと思いますが【仕組まれて】恋人になる人はそういません。

今のご時世に置き換えるとなんとなくですが、アスカとシンジはお見合い結婚マリとシンジは恋愛結婚。であるように感じます。

どちらも悪くないし存在しうる未来であったという感じです。

 

シンエヴァに出てきたアスカが式波ではなく惣流であったなら、きっとアスカはケンスケとあそこまで親密にはならなかったし最後までシンジを助けるために【恋愛感情】が(式波の言葉を借りるなら)仕組まれていたんじゃないかと思います。

ですが今回のアスカは式波。生まれが違えば生い立ちも違う。なので、これまでの作品とは違う動きを見せたのかもしれません。

 

MEMO

惣流アスカラングレーの生い立ち
4歳の頃にエヴァパイロットに抜擢、英才教育の末14歳で大学を飛び級卒業。
【母に認められるため】エヴァパイロットとなるが、報告に行った日に母は首を吊り死亡していた。
父親は不倫相手の女医と結婚し、距離があったらしい

・式波アスカラングレーの生い立ち
大量に存在したであろう式波シリーズの中で一番優秀な個体。特別なクローン体であると考えられる。
綾波シリーズとは違い実戦目的のクローン体らしいので、仕様に違いがあるのだと思います。

 


〇どうして《オリジナル》のアスカは二号機の中に居たのか
深く書かれていないので謎ではあるのですが、妄想を膨らますとすると

エヴァパイロットになるための英才教育中にエヴァ弐号機に取り込まれた

可能性があると考えられます。

…それ以外に説明がつかない気がする。けどめっちゃ胸熱でした。これまで自分が推してきた"本当"のアスカに会えちゃった感じがして、よかったです。

 

うまくまとまってないですが、花粉症でつらいのでここで書くのを休みたいと思います。

関係ないと思われるかもしれませんが、鼻がスース―して書いてられなくなってしまいました。

それではばいばい